手首式血圧計の精度
24時間血圧計ソフトは、1日に何度も血圧を測定し、
何日分かの血圧データを集計して24時間グラフを作成します。
そのためには、血圧を手軽に測定できることが大切です。
日本高血圧学会は、手首式血圧計は不正確なことが多いので、
現状では上腕式の血圧計を使用するとしています。
その理由を手首式は上腕の圧迫が困難なためとしています。
上腕の圧迫が困難なためとはどういうことでしょうか。
手首式血圧計はどのくらい不正確なのでしょうか。
手持ちの血圧計で、測定値にどのくらいの差があるのか、調べてみました。
さいわい、私は朝型高血圧なので、1日でさまざまな状態の血圧を調べることができます。
その結果が下図のようになりました。
これで見ると、どのメーカーの手首式血圧計も、血圧が140以下のときは、
ほぼ同じような値を示すことがわかります。
普通の血圧であれば、上腕式でなくても、どのメーカーの血圧計でも
ほぼ同じような値が得られるのです。
問題は、血圧が160を超えるような高血圧の領域ですが、
この領域ではメーカーによって10~20mmHgも高く出るようです。
この傾向は、脈圧を測定するとよくわかります。
脈圧とは、上の血圧と下の血圧の差を脈圧といい、大動脈の弾力性を表すものです。
正常な人の脈圧は50~60mmHg程度で、60を超えると動脈硬化が進んでいるとされます。
脈圧の比較
上腕式と手首式血圧計で脈圧を測定を比較すると、つぎのようになりました。
これで見ると、オムロン手首式血圧計と上腕式血圧計は、
おおむね60mmHg以下に収まりますが、
他メーカーのものは60mmHgを超えてしまいます。
これは、上腕部圧迫の問題というよりもキャリブレーションの問題だろうと思います。
上腕式も手首式も、いずれのメーカーの血圧計も
最終的には標準血圧計と比較して製品を調整するわけですから、
どの血圧計も正常値付近では当然合います。
しかし、キャリブレーションが良くできていないメーカーの製品は
正常範囲を超えた領域で破綻をきたしてしまいます。
つまり、良い血圧計は正常値付近だけでなく高いときでも
きちんとキャリブレートされた血圧計で、
それは手首式血圧計でも可能です。
オムロン手首式は他メーカーのものよりもやや高価ですが、
キャリブレーションがきちんとできているので、
脈圧も正確に測れるように思います。
よく調整された血圧計は手首式であっても信用できると思います。
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